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解体工事の際に必要な届出①
解体工事にはいくつかの申請が伴いますが、特にアスベスト除去に関する届出は重要な手続きの一つです。アスベストは人体に有害な物質であり、解体工事の際に飛散すると健康被害をもたらす可能性があるため、法律で厳しく規制されています。今回は、アスベスト除去の際に必要な届出について詳しくご紹介します。
目次
- アスベスト除去の届出
- レベル1
- レベル2
- レベル3
- まとめ
1. アスベスト除去の届出
アスベストを含む建材が使用されている建物を解体する際には、事前にアスベスト除去の届出を行う必要があります。アスベストの撤去は、建設リサイクル法のほか、大気汚染防止法、労働安全衛生法、廃棄物処理法など、複数の法律が絡んでくるため、適切な届出を行うことが求められます。
アスベストは発塵性に応じてレベル1～3に分類されており、レベルに応じて必要な届出や対応が異なります。それぞれのレベルについて詳しく見ていきましょう。
2. レベル1
レベル1は、最も危険性が高いとされるアスベスト含有建材が該当します。主に耐火建築物の柱や梁、立体駐車場の天井や壁、エレベーターの周囲、ビルの機械室やボイラー室の壁や天井、体育館の壁や天井などで使用される《石綿含有吹き付け材》がこのカテゴリーに入ります。
このような建材が使用されている建物の解体を行う場合、まずはアスベストの含有量などを調査し、労働基準監督署に対して《工事計画届》および《建築物解体等作業届》を提出します。また、都道府県知事に対しては、《特定粉塵排出等作業の実施の届出》や《建設リサイクル法に基づく届出》を提出する必要があります。
これらの届出を怠ると、アスベストが適切に除去されずに飛散するリスクが高まるため、厳格な監視が行われています。特にレベル1の作業は高度な技術と安全対策が求められるため、経験豊富な業者に依頼することが重要です。
3. レベル2
レベル2は、レベル1ほど危険ではないものの、依然として十分な注意が必要な建材が含まれます。これには、建物の柱や梁、壁の耐火被覆材、ボイラー本体や配管、空調ダクトの保温材、屋根の断熱材などに使用される《石綿含有保温材》《断熱材》《耐火被覆材》が該当します。
解体工事を行う前に、レベル2に該当する建材の含有量を調査し、労働基準監督署に《建築物解体等作業届》を提出します。また、都道府県知事に《特定粉塵排出等作業の実施の届出》を行う必要があります。
レベル2のアスベスト除去作業は、適切な保護具の着用や作業エリアの封鎖、飛散防止措置を徹底することで安全に行うことが可能です。しかし、作業後の廃材処理にも十分な配慮が必要です。
4. レベル3
レベル3は、アスベストの含有量が比較的少ないものの、依然として飛散のリスクがある建材が該当します。具体的には、外壁材や屋根材、天井や床、壁などの内装材に使用される《ビニール床タイル》や《石綿含有成形板》がこのカテゴリーに含まれます。
レベル1やレベル2とは異なり、レベル3の建材を使用している場合は、事前にアスベスト含有量の調査が必要なものの、特定の届出を行う義務はありません。しかし、含有されているアスベストが少量であっても、解体時には飛散する恐れがあるため、慎重に作業を進める必要があります。
レベル3のアスベストは、特に小規模な工事やDIYで使用されている場合もあるため、工事前にしっかりと調査を行い、飛散防止策を講じることが重要です。
5. まとめ
アスベスト除去に関する届出は、解体工事を安全に進めるための重要な手続きです。レベル1からレベル3まで、それぞれの危険性に応じて届出先や必要な措置が異なるため、建物の状況に応じた適切な対応が求められます。
特にレベル1やレベル2のアスベスト含有建材を使用している場合、労働基準監督署や都道府県知事への届出が義務付けられており、これを怠ると工事が遅れたり、法的な問題に発展する可能性があります。また、アスベストの除去作業は高度な技術と慎重な対応が求められるため、専門の業者に依頼することが最善です。
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